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特産品を売ることの楽しさと難しさ

東京から車で2時間半。山梨県身延町は山梨県の南部に位置し、日本三大急流の一つである富士川がその中央を流れている町。この町では幻の大豆「あけぼの大豆」が生産されている。

「JAふじかわ」で働く深沢 孝幸さんは、あけぼの大豆の普及推進のために20年の時間を費やしてきた。うち17年間は生産者への大豆栽培の指導を行い、直近の3年間は直売所での販売を担当している、人生のほとんどの時間を様々な視点を持ってあけぼの大豆と共に過ごしてきた。

そもそも、幻の大豆と呼ばれる所以(ゆえん)はどこにあるのだろうか?一般に市場に出回るサイズと比べて一回り大きく、一粒一粒、噛み締めるほどに深い甘みと食味を持つ。その種子は寒暖の差が大きい標高の高い場所でつくられ、低地で広く多くの生産者が栽培し徐々に生産量が増え始め、生産ノウハウも広まっていった。
◼︎幻の大豆「あけぼの大豆」が生まれるワケ
・標高が高い場所での栽培。
・霧深い地による適度な水分量が大豆の乾燥を防ぐ。
・気温が低いため虫害が少ない。
こういった諸条件が整う身延町だからこそ、幻の大豆と呼ばれるあけぼの大豆が誕生する。

深沢さんはこれまで、あけぼの大豆を新たに生産する方への栽培方法の支援だけでなく、既存の生産者へも日々進化する技術面でその時々にマッチした栽培支援をしてきた。こうした生産者への地道な努力により、生産者側もあけぼの大豆の価値の高さを理解し、生産者数も増加した。

一般的に枝豆は夏に市場に出回るが、あけぼの大豆は10月に収穫期を迎える。先月(10月)に開催した「身延のあけぼの大豆 産地フェア」では近隣の県から約4,000人の方々が収穫体験に訪れるまでの規模に膨らんだ。身延町の8ヶ所の会場で開催された産地フェアには、リピーター参加者が多く、一度、あけぼの大豆の味に触れた人には他の大豆は食べられないと言う声が多かった。

一般的に市場に出回るタイミングをずらして10月に収穫できることは、市場出荷による相場に影響を受けずにいられること。つまり、大量生産でないあけぼの大豆にとって、生産者と量販店とをダイレクトにJAが仲介することで、希少性が高いまま、より高いニーズを持つところに届けることができる。それが深沢さんが今、取り組んでいる普及施策のポイントだ。

その味は甘味が深く、大きい大豆であることは加工品としても他に比べて差別化価値の高い商品となる。
身延町で生まれ育った深沢さんにとって、今後さらに身延町が世界で唯一の大豆の生産地として認知され、生産者も意欲を持ってつくり続けることが一番の願いだ。進む高齢化の波の中で生産量を増やし、徐々に栽培面積を増やし、あけぼの大豆ブランドとして社会に認知普及していくことで、若年層の生産者も増えていく。身延町には、人の温かさがある。幻の大豆と呼ばれるあけぼの大豆を通じて、身延町の人の温かさを感じ訪問する機会が増えることで、町が活性化していく。身延町発の大豆ブランドはこうした人の想いから広がっていく。

休日コンサルタント

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