地球の裏側から ~ブラジル在住アラサー女子からみた日本 Part 3~

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第3回:実は日本よりも進んでる!?気になるブラジルの環境対策とは?

突然ですが、日本ではブラジルは未だに「新興国」というイメージが強いですよね。そのせいか技術や教育、あらゆるものにおいて日本の方が進んでいるような気がしてしまいますよね。現に前回私が書かせて頂いた記事でも、ブラジルには日本であった「当たり前のもの」がない!というお話をしました。しかし、ブラジルは環境対策の面では、日本よりも進んでいると感じる面が多くあるのです!今回はアラサー女子が感心したブラジルの環境対策や、こちらで私が実行しているちょっとエコな取り組みについてお話ししたいと思っています。

身近で感じたブラジルのエコ

まず、ブラジルに来て驚いたのは、殆どの飲食店ではプラスチックではなく、紙ストローが使われているということ。ブラジル人の知人に聞いてみると、州によるものの紙ストローの使用が義務化されている場合も多いそう。チェーンのコーヒー店やレストランはもちろん、街角の小さなジュースバーでも紙ストローが使われていることが多いのです。ブラジルは私が約半年前に日本を離れた時よりも、かなり紙ストローが普及している印象です。

次に驚いたのは、ガソリンスタンドではガソリンのみならず、バイオエタノールも給油できるということ。バイオエタノールは、サトウキビから精製された燃料で、ガソリンと比べて二酸化炭素の排出量が少ないとされています。近年では、一般車のみならずバイオエタノールを燃料とする公共バスを走らせている州もあるそうです。

街角の小さなジュースバーももちろん紙ストローを提供しています。

ブラジルの環境都市、クリチバ市を例に挙げて

次に、ブラジルの中でも優れた環境政策で有名で、国連の環境計画賞を受賞したこともあるというパラナ州のクリチバ市の政策を2つほどご紹介したいと思います。

1つ目は、ゴミと食料が交換できるという政策です。これは、クリチバ市がなんと1991年に、ブラジルでは現在もあまり進んでいないゴミの分別収集を定着させる為、空き缶やプラスチック等再生可能なごみを収集し、野菜等と交換できるプログラムを制定したというものです。この政策は、分別意識がより低い低所得層の人々に環境保護の重要さを提起すると共に、彼らにとっては生活支援ともなり大きな効果を発揮したそうです。

2つ目は、2007年のブラジル初のエコ・サッカースタジアムの建設です。このスタジアムはコンクリートを一切使用せず、観客席には廃棄された木材が使用されています。ブラジルの国民的スポーツであるサッカーを通じて自然保護を訴えかけるだけではなく、建設費の削減にも繋がっているそうです。

これらのクリチバ市の政策は環境保護の観点のみならず、貧困や飢餓、企業としての経済活動にもアプローチしており、サステナビリティやSDGsが浸透するかなり前からこの様な政策を行っていたことに驚きました。

アラサー女子が実践する、ブラジルのエコな取り組みとは?

と、ここまでブラジルの環境政策について書いてきましたが、ここからはさらに身近な、個人でも出来るエコな取り組み、私がブラジルで始めたエコな活動についてお伝えしたいと思います。
まず、ブラジルのスーパーマーケットではソイミートをはじめとする代替肉の商品展開が豊富であることに驚きました。日本では一般的なスーパーマーケットでは、まだ代替肉が販売されているところは殆ど無いかと思いますが、こちらでは調理しやすい挽肉形態やパテのソイミートなど、様々なメーカーや形態の代替肉が売られています。私もソイミートの挽肉を買ってキーマカレーを作ってみましたが、挽肉の形態だと食感にも違和感はなくカレー味を付けると癖もないので、本物のお肉のように自然に食べることができました。また、2020年からは生産者に温室効果ガスを相殺するための植林が義務付けられている、「カーボンニュートラルミート」も販売されています。現在はサンパウロの主要なスーパーマーケットのみの取り扱いで、残念ながらリオには進出していないようですが、私も代替肉をはじめとした環境に配慮した肉類を積極的に食卓に取り入れようと思っています。
次に私がブラジルで始めたのは、生理用ナプキンの代わりに吸水ショーツを使用することです。ブラジルをはじめ、海外の生理用品は日本のものと比べて質が下がると思うのですが、吸水ショーツであればエコな上に肌にも優しく、憂鬱な生理の期間も快適に過ごすことができます。ブラジルは貧困層が多い為、生理用品を買うことができない「生理の貧困」が日本以上に大きな問題となっており、何度も繰り返し使用できる吸水ショーツは長い目で見ればその解決にも繋がるのではないでしょうか。

さらに、最も身近なエコは、ブラジルの多くのレストランでは残ってしまった料理を持ち帰ることができるということ。食後に料理が残っていると店員さんから声をかけてくれるので、こちらも気兼ねなく持ち帰ることができ、フードロスの削減につながっています。ブラジル人は持ち帰った料理をホームレスの人々に渡していることも多いようですが、これも個人単位ですぐに実行できるエコな取り組みだと感じています。

代替肉のコーナーにこんなに多くの商品が!

私はソイミートの挽肉でキーマカレーを作ってみました。

吸水ショーツはリオデジャネイロのレディースブランドともコラボしていてファッション性も。

まずは、私にできることから始めてみよう!

サステイナブル、SDGs、環境対策。言葉だけを聞くとなんだか難しそう、と感じてしまいますが、エコバッグを積極的に使う、エコな取り組みをしている企業の製品を積極的に買ってみる、そんな小さな私たちの行動が環境保護に繋がっているのだと思います。まだまだゴミの分別も進んでいないブラジルですが、外国人の私にでも出来ることをこれからも日々探して実行していきたいと思っています。また、日本でも行動に移せるということがあればシェアさせて下さいね。

Ⓑのマークは”Benefit corporation”と言う認証マークで、サステイナブルな会社にのみ与えられるものだそう。日本では見慣れませんが、日本でもおなじみのダノンやパタゴニアもこの認証を受けているそう。

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