『”体験が初めて”であること』を休日ストーリーで検証!
初めてのテーマパークや予約の取りにくいレストランに行く場合、準備期間が長いとその分 期待が膨らんだり、広告やクチコミサイト、友達のススメなどがあると必然的にその期待値が高くなりますよね。あのアトラクション、あのレストランは「きっと、〇〇だろうな」「〇〇に違いない」「〇〇だったらいいなぁ〜」というように期待が分類される中で当日までのボルテージが上がっていく。そこで注目したいのは『初めての体験』であること。これが大きなポイントになったりします。『初めての体験』の場合、期待よりも体験した満足度が高ければ「あ〜、今日は楽しかったぁ〜」「思ってたより意外と良かったなぁ」という気持ちに繋がりやすくなります。期待した以上にその体験の満足度の幅が大きければ大きいほど「次回また行ってみようかなぁ」という気持ちにシフトしやすくなります。『初めての体験』から「次回に続くマインド」の中で、その関係性の深さがいわゆる「ブランドへの愛着」や「〇〇ファン」という言葉で置き換えられていくのだと言えます。
でも、そんな『初めての体験』って、色々考え準備して特別な時間を過ごすというのもある一方で、日常の中の休日にも普通にあったするんですよね。なぜなら「今日は充実した休日だったなぁ」と感じる時って、1日の中に小さくて色々な『初体験』が散りばめられていたりするから。よくよく振り返ると頻繁にその繰り返しがあったりします。じゃあ、どうしたら「今日は充実した休日だったなぁ」というものを感じやすくできるのか? 今回は『体験が初めてであること』の構造を実体験から検証してみたいと思います。
体験が”初めて”であるということ
と、ある本に『レストランで注文する時、記憶に残るような満足感が欲しいなら、初めての料理を注文する方がいい。いつもの料理を注文しても記憶に残らない。だってもう食べたことがあるのだから』という文章がありました。確かにそうだと思うし、経験上、それはきっと「食べ物」の場合には特に顕著なんじゃないかなぁと思うところです。私には神保町に行きつけの小さなイタリアン料理店があります。その店に”初めて”入った時は正直、期待が低かったのですが注文して出てきたスパゲティが期待以上に美味しかったことで、2回、3回そしていつの間にか行きつけになっていました。味以外の魅力としては、その店のメニューは毎日変わるので、行く度に前回とは違う新しいものを注文できることも来店を楽しめる要素でもあります。
その店は『行く度に新しい』という言葉がピッタリで初来店時の「記憶に残る味」が「常に新しく美味しい」がキープされることで上書きされ続けているというサイクルになっているのかもしれません。「”初めて”」の体験=自分の「”好み”」と合う味であったこと=美味しいと感じたこと、初来店時の『期待値』そして『良い体験』の相互の関係性が「高い満足度」に繋がったんだと感じています。
そうすると”期待”と”体験”と”好み”は、どうしたら最大化されて休日における「今日は充実した休日だったなぁ」に繋がっていくんだろうか?ということになっていきます。その方向性はきっと2つあります。
❶ ”期待”×”体験”=好み
誰もが日常の経験にあるはずのこととして「私はこれが好き」と思う時、常に心の中で「自分にとって、これが気にいるといいなぁ」と思って過ごしている節があったりしますよね。例えば、友人に美味しいことで評判のレストランを薦められると、自分自身も心の中で「きっと気にいるはずだ」と勝手に自分自身にドライブをかけていて、その体験が良ければ本当に好みのお店になる可能性が高い。心理学でいわゆる「同化」と呼ばれるものがそれにあたります。
❷ ”期待”が”好み”を後押しする
“好き”の構造としての「同化」は初めて食べるもの(まだ食べたことがないもの)に対して、期待させる何かしらの情報を与えられるだけで、それを好きになる度合いが増していくんですね。(※情報を与えられなかった場合に比べて)。その一方で、あまり期待していなかった時、お薦め情報がイマイチだったことで余計にガッカリするというものがあります。(※「対比」と呼ばれています)。
つまり、こういうことですね。人はあるモノ・コトが期待通り、またはそれ以上であるほど、それだけそのモノ・コトを気に入り(”好み”が後押しされ)、期待からズレていればいるほど好きにならなくなりやすい。そういう意味では、休日というのは会社で働いている平日と違い個人的に”期待”と”好み”が交錯する機会が多いので(要素としての交わりが頻繁に繰り返されるので)、自分自身のものの見方・意識を変えることで「今日は充実した休日だったなぁ」と感じやすくなるものと言えます。
初めてづくしの休日を実践してみた
「”体験が初めて”であるということ」が「今日は充実した休日だったなぁ」に繋がりやすくなるのであれば、いっそのこと「初めてづくし」を体験することが”期待”と”体験”と”好み”の最大化になるのでは?と考えられますよね。そこで「初めてづくし」として、いつもと違う行動をとること、知らないエリア・地域に行ってみて、知らない人と未知の体験をすること、に焦点を当ててた「初めてづくしの休日」を実践することにしました。
具体的には千葉県で行われたバスケットボールのコーチライセンス取得のため150人が集まる講習に参加することを通じて検証しました。具体的に実施したことは
- “初めて”の場所での休日時間:日常の休日には行かないようなエリア・地域での休日の環境
- “初めて”会う人との体験の共有”:バスケライセンス取得希望者と10人づつのグループになって講座・実技のワークショップ
- “初めて”のコーチングメニュー開発:バックグラウンドの違う人同士によるグループ毎で1つのテーマに絞りコーチングを実践
です。その日は千葉県全体で大雪。一般的に休日を楽しみやすい気象条件は晴れていて気温が20度前後でもあるので、この時点で外部環境としては最悪な状態。早朝からJRを乗り継いで2時間半かけて千葉の会場に到着(遠くて移動だけでも疲れてしまったのが本音…。)2日間、150人を超える色々な立場の人たちと10人づつのグループになり講習・実技を通じてコーチングを学ぶ中で、最初は打ち解け合いにくい面もありましたが徐々に心を開きバスケを通じて分かりあい講習の最後には色々な話ができるまでの仲になっていました。確かに講習は頭を使うし、価値観もバックグラウンドも違う人たちが1グループで1つの練習メニューの開発をした上でコーチングを実践する難しさはありました。が、経験を経て見ると”期待”と”体験”と”好み”は、常に交錯し合い結果的に講習が終わった時には、何とも言えないほどの満足感に満たされていました。
体験が”初めて”であることと休日の関係性
休日になると誰の心にもある休日マインドが自然かつ自動的に稼働し出します。今回の検証は「その日の休日のマインド」に紐づく「初めての体験」を実践できたということ。何が記憶に残るためのトリガーだったのかを考える場合、1日を構成する要素を紐解くと、当然、「初めての体験」が自分自身にドライブをかけていることが分かりました。つまり、自分自身にそういうマインドセットがあることに気づき実践することを改めて必要だと感じました。”期待”と”体験”と”好み”は、「今日は充実した休日だったなぁ」に繋げていくためにそれぞれをいかに混ぜ合わせて1つのストーリーにしていけるかが重要だという方向性が見えてきました。
これから温かい季節になり休日に何か活動してみようかなという外部環境が整ってきます。自分なりの休日をデザインする時、”期待”と”体験”と”好み”をどのように組み合わせるのが一番いいかを是非、実践してみてくださいね。
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