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地域デザインの旅|「古き良きもの」を大切にし非効率より品質を重んじる府中誉の酒

米作りが盛んで酒造りに最適な環境の土地 石岡

かつて常陸(ひたち)の国の国府(府中)として栄えた地、石岡。石岡周辺は、米作りが盛んな地域であり、筑波山を源とする湧水が「府中六井(ふちゅうろくい」と呼ばれるように水に恵まれ、酒造りに最適な環境でもあります。

全国新酒鑑評会にて金賞を受賞

府中誉株式会社の府中はここに由来しています。「古き良きもの」を大切にするこの蔵は、絶滅品種であった酒米「渡船(わたりぶね)」の復活栽培に成功したことでも有名です。この酒米は山田錦の親にあたる品種で、明治末期から昭和初期まで酒造り専用のお米として作られていた品種でした。酒造りに最適な超軟質米であったこの米だが、背丈が高く、病害虫に弱く、収穫期が10月下旬と遅いことで作付けは途絶えていました。山内孝明さんは1989年「茨城の酒米を磨き、本当の地酒を造りたい」という想いを実現させるため、つくば市の国立農業生物資源研究所が冷凍保存していた種もみ14gを譲り受け、田んぼを借りて栽培をはじめ、全国で初めて「大吟醸渡舟」として復活させました。府中誉では平成二年より農家と直接契約栽培を結び、全量を買い取っています。平成8年、10年、26年と全国新酒鑑評会にて金賞を受賞しました。

社長兼杜氏 山内孝明

山内さんは社長兼杜氏として「復活栽培米を使用した吟醸酒渡舟」『濾過前取りの太平海」「茨城の気候、大地、水の恵みを糧にした府中誉」といった銘柄のお酒を造っています。製造量約500石(一升瓶換算5万本)と、決して大きな蔵元ではないが約8割が地元で消費されるという地域に愛され続ける酒。また、数年前からこの評判をアメリカやアジア各国のバイヤーたちが聞きつけてきたことで、海外展開も進んでおり、世界に認められる価値の高さがああります。

昔と現代の違いを取り入れる

酒蔵には南部杜氏や越後杜氏といった日本酒造りを行う職人集団のイメージがあリます。秋の農作物の収穫が終わった頃に、杜氏が蔵人を連れて酒蔵にやってきて酒を造り、春になると故郷に戻って本業に従事するという方式。一方で、今は農業従事者も減り、酒造りの期間、労働に携わる人も減っている現実があります。この蔵では以前は南部杜氏が酒造りをしていましたが、現在では地元の方を社員として雇い、山内さん自らが杜氏となって酒造りを行っています。酒米の特性を踏まえ酒の製造にゆとりを持ち、丁寧に造るという想いの表れでもあります。

非効率でも質の高さを追求

精米もじっくりと時間をかけて精米して削り落とした「糠」はお米の中心部近くまで削るので白い。(※精米歩合(お米を削り落とす割合)にもよる))そして、10kg毎の小さいユニットで洗米を管理して品質を上げていく。一気に大量につくりません。そこには『効率性でなく敢えて非効率でも品質の高い酒をつくる』山内さんの信念があります。

「限定吸水」

酒米を洗った後に水を吸わせる「浸漬」の工程は、精米歩合50%以下のものになると「限定吸水」を行い秒単位で吸水量の調整をします。「ここで思った通りに浸漬させないと、最終的なお酒の出来に大きく影響するため、とてもデリケートな工程」と山内さんは言います。

醪(もろみ)の主張を感じ取る

そして、醪(もろみ)の発酵具合を「温度、アルコール度数、糖度、酸度」などの観点で毎日計測し、数値を管理しながら最適な状態に仕上げていきます。同時に「この醪は今、何を主張しているのか?」と目でしっかりと見る。つまり、五感で感じたものを付け加えて次の行動に移していきます。デジタルでなく最後は人の五感が頼り。この酒蔵でしか作れない最高の品質。伝統に重きを置きながらも、時代と共に進化し続ける酒への想いそのものも、どこにも負けない独自品質なのだといえます。

府中誉について詳しくはコチラから↓↓↓
http://www.huchuhomare.com

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