休日デザインの人|現状満足せずに技術を磨き続ける 外山健
「握鋏(握りハサミ)は機織り工場,洋裁学校,漁師網や和菓子装飾と,時代毎に変化するニーズに対応し作られ使われてきた。だから、職人は自ら考え工夫し現状に満足せずに人の声に耳を傾け技術を磨き続けるのが大切。新たな商品はそもそもユーザーが違うのだから」というのは、握鋏鍛冶職人 外山健さんが取材中に重い口を開いた時の言葉でした。
先代の創業時から一貫して握鋏を製造。鍛造から成形まで全て一人の手作業でこなす。一本の軟鉄を炉で熱し叩き鍛え徐々に鋏の形へ整形する。そして折り曲げてピタリと刃先が重なる。
柄の長さを変えたり、あえて黒色にせずにシルバーに磨いたり。と、100年以上も本職の職人たちが発想しなかったアイデアに挑戦し、握鋏のシーズ&ニーズをユーザー視点で追及している外山さん。それ故、市販向けだけではなく、近年はファッションデザイナー等にも愛用者が多くなっています。つまり、こだわり派のユーザーの心はしっかり掴んでいるということ。
外山さんの休日は完全オフで本当に何もしないとのこと。「仕事は仕事,休みは休み。余裕を持って取組むことが良い発想に繋がり良い商品になるんだよ」。鍛冶の道に生きる外山さんならではの休日の時間。
握鋏を作る上での目的は一つ=『切れる』こと。外山さんの握鋏には技術以上に込めらる想いがあるようでした。
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