【休み方改革】日本人は働きすぎ?有休に罪悪感も?休日の価値観をどう変えるべき?

休み方の多様性を考える

働きすぎで休むことに罪悪感を感じていたり、社内に休みにくい雰囲気があると有休取得に罪悪感を持ってしまう人も多いもの。まだまだ道半ばの休み方の多様性の浸透について先進企業や海外の事例から考えます。

後ろ倒しGWの実証実験

2014~2015年に経済同友会 観光立国委員会にて星野リゾートを中心に後ろ倒しGWの実証実験が行われました。GW期間のうち3日間出勤した従業員に対して、GW明け1週間後の3日間(土日含め5日間)を後ろ倒しGWとする取組み。後ろ倒しGWを取得した従業員は、5社が用意する宿泊施設の割引や保育サービスなどの特典を受けることができるというものです。休日分散化の取組みにより

  • 旅行需要の平準化と観光需要の活性化に繋がると考えられること
  • 利用者が快適で安価で便利な旅行ができること

が考えられることから民間企業5社による「休日分散化推進プロジェクト」が実施されました。実証実験参画企業:星野リゾート、日本交通、ベネフィット・ワン、ベネッセコーポレーション、ポピンズ、※休日デザイン研究所(事務局)

 

休み方のルールがユニークな企業10選

従業員のモチベーションに大きく関わってくるのが「休み方」。しかし、ワークライフバランスが重視される一方で、「なかなか休もうとしない」社員に手を焼く企業も増えています。
社員が休暇を取りやすくする、もしくは長時間労働を避けるために独特のルールを設けている企業を10社をご紹介します。

民間企業でも実施中 “GW選択制” 

IT企業「basic」では、ゴールデンウィーク中にあえて勤務し、代わりに好きな時期に代休を取得できる「GW選択制」というユニークな制度が導入されています。この制度は、従業員が5月3日から5日までの休日に出勤する選択を許可するもので、その代わりに12月末までに自由にその休みを振り返られるというもの。利用した従業員は、年内であれば休暇のタイミングを任意に設定可能。施設や交通が混雑しがちなゴールデンウィークを避けて、動きやすい時期に旅行や帰省をするといった休み方ができます。

GW選択制は、従業員が5月3日から5日までの休日に出勤する選択を許可するもの。あわせて、その分の振替休日は使用期限が12月末までに拡大されます。

休暇取り放題の企業の休み方

IT企業 Hubspot社では、グローバル全体で7月月初に「Global Week of Rest ( グローバル一斉休業週 )」という夏休みを毎年1週間実施し、社員各々、様々な過ごし方ができる制度がある。

仕事さえちゃんとやれば、好きなときに、好きなだけ休暇を取ってい制度

仕事さえちゃんとやれば、好きなときに、好きなだけ休暇を取ってよいし日数や用途に制限がある休暇制度がない。Hubspot社が雇うのは自分でモチベーションを持って働く優秀な人だけ。という企業カルチャーがある。社員が働く本質は管理ではなく、自律性の育成。仕事を好きになり誇りを持ち、取引先やチームに貢献するする気持ちがあれば、成果はついてくるもの。気分転換にランニングもOK。

まだまだ沢山ある休み方の独自性

  • 未来工業株式会社
    「年間休日140日+有給休暇最長40日」と休みが多い。また、休日と休日に挟まれた平日はオセロのように自動で休日になるという「オセロ休暇制度」を導入している。
  • 失恋したら会社を休んでも許される「失恋休暇」やプロポーズの準備をしたいなどの勝負日に向けた「恋愛勝負休暇」制度を設けている。
  • 年次有給休暇とは別に月3回まで休暇を取れる「ずる休み休暇」制度を設けている。
  • 過去1年間の非喫煙者(入社6ヶ月以上の社員)は年間6日間の「スモ休」という有給休暇を従業員に付与している。
  • 女性特有の体調不良の際に、月1回取得できる特別休暇としてエフ休を制度化している。(エフ=FemaleのFを指す)※女性が活躍するための社内制度が8つ存在。
  • 飲み過ぎた次の日は年2回まで午前休暇が取得できるお酒が大好きな方には魅力的な制度を導入している。他にも推しロス休暇制度もある。
  • 20日を上限に積み立てをし、ボランティア活動、家族の介護などプライベートでの連続した休暇を取得できる「積立休暇」や勤続満10年、満20年、満30年の年度に5日間の休暇が取得できる「リフレッシュ休暇」を実施している。
  • 年次有給休暇とは別に年間2日の有給休暇を付与する「ファミリーホリデー」と、旅行等によるリフレッシュを目的に、年度中に満25歳~ 55歳になる従業員を対象に5年ごとに5日間の有給休暇を付与する「ライフサイクル休暇」を導入している。

休み方の多様性とは

  • 会社を休む時、職場の雰囲気を気にしてしまい思ったような日数で有休取得ができない。
  • 自分が休んでしまうとチームが機能せず罪悪感がある。
  • 自分が休んでいる間に代わりに入った社員に仕事を取られてしまわないか?心配してしまう。

そのような声は日本国内のどの会社でも存在しているものです。その解決策として、例えば「会社を休む時、職場の雰囲気を気にしてしまい思ったような日数で有休取得ができない」場合は、労働生産性向上の視点で休みと仕事の割合/関係性から全社的に休むことの重要性を浸透させることや、「自分が休んでしまうとチームが機能せず罪悪感がある」場合、業務が属人化している可能性もあるので、全社的に業務の型化をすることで休む機会をつくることができる。

しっかり休んだ実感を得ることが仕事をする上で最も重要なことです。民間や行政の取り組む「働き方改革」の次のステップとして、企業や国民の「休み方改革=休み方に関する意識改革、休日が生活を豊かにするための行動変容、生産性向上のための休み方」の実践を進めていける社会になることが、今後、求められています。

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