-シリーズ “休日ビジネス”- 自転車好きは必見!自転車屋さんが休日に繁盛するワケ

自転車屋さんというビジネス

町の自転者屋さんといえば、自転車好きのおじさんが一人でやっているお店もあれば、多店舗展開して価格帯も全国一律でなかなか良い自転車(型落ち含め)を安く提供してくれている店もあります。私の実家の近くの自転車屋さんは1階がお店で2階が自宅になっている店。小学生の頃から変わらず話好きのおじさんがずーっとその店にいてくれている。だから気兼ねなくいつでも行ける安心感があります。
都心は都心で、ママチャリからちょっと高めのレース用のような自転車を扱っている小型店では、知識のあるお兄さんたちがいて、1を聞くと10返してくれる、これもまた安心できる場所だったりします。

キーワードは「安心」

自転車屋さんに行く理由は何だろう?考えてみると「空気入れ」がダントツですよね。その次に「修理」。
今やママチャリを始めとする自転車を買う場所は、ホームセンター、家電量販店、大型スーパーなどなど至る所にあります。でもアフターケアを考えると修理のために家電量販店に自転車は持参できない…。そんな売りっ放しな空気感が先行しているなところが多い中で、消費者が次の拠り所にするのはやっぱり自転車屋さんになりますよね。
そんな気持ちであらためてお店に行くと、ヘルメット、手袋、サドル、泥除け、LEDライト、タイヤチューブ、リアバッグなど色んなアクセサリーやパーツ類が揃っているから、買わずともつい気になってしまう。
そこで「家から近いし、その店に行けば適当なものもあるし、修理もやってくれる」と思うようになる。つまり、安心できるお店として位置付けられていく…。

「安心感」というストーリーがあるのか

ここまで書いてきて、お気づきかもしれませんがキーワードは「安心感」です。消費者が自転車屋さんに求める価値は、いつ行っても会話してくれて相談に乗ってくれること。そんなストーリーを求めていますね。
じゃあ、それに応える自転車屋さんはどんな手段でビジネスをしているのか?休日に人が集まる仕掛けをしているのか?

自転車屋の休日ビジネス

ズバリ!「空気入れ」を無料にすること。
来店理由の最も高いのは「空気入れ」と書いたように無料の「空気入れ」を目的に来ます。
じゃあ、「空気入れ」はどのくらいの頻度で必要か?新品なら半年後、購入後2〜3年なら3ヶ月ごとくらいが平均です。
町の自転車で購入した場合を除き、町の自転車屋は他店で購入して2〜3年以降の自転車を持つ方がターゲットになります。
エリアも自転車屋さんから半径3km程度のところ。修理に出しても歩いて往復できるところにある自転者屋さんに消費者は行きますね。

自転車屋の休日ビジネスの方程式

仮説もありますが、ざっとこんな感じでしょう。
訪問頻度が高い人ほど、その自転車屋さんとの関係性が高まると仮定すると自転車屋さんの売上高は
●売上高=単価×販売数量 とした場合に
・販売数量=訪問頻度(購入頻度)×購入量(パンク修理のチューブ交換、鍵、ヘルメットの購入など)
・販売数量=販売地域×地域あたりの顧客数
などと考えてみると
常日頃から「空気入れ無料」にして、来店確度の高い顧客と接点を持てるようにして
来店された顧客と良い関係性を作ることで、その地域の顧客ニーズも把握できて、そのまま売上高につなげていくことができる。

そして休日になると平日に来店できなかった人が勝手に来店してくれる。
来店確度の高い顧客が自分から自転車屋さんに来る仕掛け(=儲けの仕組み)が作れているところがポイントですよね。

自転車に限らず商品の販売時は買い手の方が交渉力が強いけれど、購入後の修理代となると買い手は買った商品のメーカーや修理可能な店に依頼するしかないので、売り手は修理代や交換部品の価格を儲かる水準に設定することができるようになるわけです。(※スマイルカーブで検索してくださいね)

私の実家は山に囲まれていて自転車の所有率は平地の都心に比べて極端に少ないので、平地に出店するのとは違う戦略が必要なのかもしれません。
坂道の多いところに住む人の自転車ニーズって何だろう?というところから考えると面白いかもしれませんね。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。