充実した休日を過ごすために│リラックスのメカニズム②

充実した休日を過ごすために│リラックスのメカニズム②


充実した休日を過ごすために、ストレスとリラックスの関係性について考える当シリーズは、前編と後編に2話に渡りお届けしています。
前回は、よりリラックス指数の高い充実した休日を過ごすため、ストレスとリラックスの関係性について簡単に解説しました。
後編となる今回は、「充実した休日を過ごすためにおすすめの6つのリラクゼーション法」をご紹介します。
いずれも今すぐ実践できる方法ですので、ぜひ試してみてください。

今すぐできるリラクセーション法

今回は、今すぐ始められる6つのリラクゼーション法をご紹介します。

呼吸法

呼吸法は、自宅でなく外出先などどこでもすぐに実践できるのがメリットです。
ヨガや気功、各種武道やスポーツなどでも取り入れられているリラクゼーション法で、特に腹式呼吸は副交感神経系の活動を促すリラックス効果のある方法として、医学的にも確認されています。
やり方はまず体の力を抜き、口からゆっくりと長く息を吐きます。下腹部をへこましながら息を吐き、苦しくなる前に鼻から息を自然に吸いながら、下腹部を膨らませていきます。これを繰り返すだけです。

瞑想法

瞑想法は、思考の整理や感情のリセット、意識の開放、ストレス解消などに効果があるといわれています。
リラックスしながら集中して行うのが理想的なので、早朝や夜間などの自宅の静かな部屋などで行うのがおすすめです。
瞑想法にもさまざまなやり方がありますが、今回は呼吸瞑想法のやり方をご紹介します。
まずは座るか寝た状態になり、目を閉じて腹式呼吸を行いましょう。呼吸に意識を集中できるようになってきたら、次は呼吸時に動く空気の流れや空間に意識を集中させていきます。雑念が浮かんだら排除し、呼吸や空気の流れを感じることに意識を集中し続けます。
集中度が高ければ高いほど、気分がすっきりしたり心が落ち着いたりといった効果が得やすくなります。

自律訓練法

自立訓練法は、1932年にドイツの精神医学者であるJ・H・シュルツ教授が始めたといわれる、もっともポピュラーなリラクゼーション法の一つです。
ゆったりとした服装になり、イスに深く座ったら準備完了です。まずは目を閉じて、「気持ちが落ち着いている」と心の中で数回唱えましょう。自律訓練法では、心の中で同じ言葉を何度か繰り返す作業を中心に行います。
次に、四肢の重量感に意識を向けましょう。たとえば最初は右手に意識を向け、右手の重量だけを感じるようにします。心の中で「右手が重たい」と何度か唱えるとより効果的です。
次に左手。その後は右足、左足といった具合に、四肢で同じことを繰り返します。
四肢の重量を意識できるようになると、体の余分な力を抜くこともできるようになってきます。
これと同じ要領で「四肢の温度」「心臓の動き」「呼吸」「腹部の温度」「額の涼感」などに意識を向けていきます。四肢の重量感から徐々にステップアップする形で構いません。
3分~5分程度を目安に行ったら、最期にストレッチ感覚で両手を強くにぎったり開いたりし、首や肩をゆったりと回しましょう。目は開けてかまいません。
両手を組んで大きく伸びをしたら完了です。

ビジュアライゼーション

ビジュアライゼーションは「誘導イメージ療法」ともいわれていますが、もっともわかりやすい例はイメトレ(イメージトレーニング)でしょう。
頭の中でイメージするだけでリラックスできたりパフォーマンスが上がったりするなんて信じられないかもしれませんが、スポーツ心理学研究の分野において、科学的に立証されています。
ビジュアライゼーションでは、自分が望む姿、望む状態、望む結果などを明確にイメージし、頭の中でロールプレイします。イメージが生々しく、臨場感があればあるほど効果が高いとされています。
おすすめのタイミングは、就寝前と起床直後。イメージを視覚化することで、モチベーションやパフォーマンス、潜在能力を引き出しやすくなるのが、ビジュアライゼーションのメリットです。
ポイントは「成功した自分をイメージすること」です。

参考:J-STAGE「イメージトレーニングがイメージ能力とパフォーマンスに及ぼす影響」

アファメーション

アファメーションは「肯定的な自己宣言」とも呼ばれており、簡単に言うと「言葉による自己暗示」のことです。あるいは「言霊(ことだま)」のようなイメージです。
たとえば自分を励ます言葉を口にしたり、自分を慰める言葉を口にしたりといった具合に行います。
アファメーションでは「私はとても大切な人間です」「私は自分を愛しています」「私は私のままでいいのです」といったポジティブな言葉がしばしば使われます。
場所を選ばずいつでもどこでも手軽に実践できるのが、アファメーションのメリットです。

プログレッシブリラクゼーション

漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)ともいい、体のさまざまな筋肉を緊張させ、その後に緊張を解いていく方法です。
アメリカの医師であるエドモンド・ジェイコブソン(1888-1983)が開発した方法といわれており、こちらもいつでもどこでも手軽に実践できるのが特徴です。
やり方は簡単で、体の主要な部位ごとに力を入れたら、10秒後に脱力して筋肉を弛緩する──を繰り返すだけです。
ポイントは、両手なら両手だけ、上腕なら上腕だけど、肩なら肩だけといった具合に、各部位ごとに行うこと。
両手、上腕、背中、肩、首、顔、腹部、足をそれぞれ行い、最後に全身で行って完了です。
ちなみに顔で行う場合は、口をすぼめて顔全体を顔の中心に集めるように力を入れます。

リラクセーションで休日の質を高めよう

休日のリラックス効果を高めるには、前編でお話ししたようにストレッサーへの対処が第一歩となり、次にリラックスできる環境作りが大切になってきます。
環境が整ったら、後編である本記事で解説したいくつかのリラクゼーション法を取り入れてみましょう。
ヨガや瞑想と組み合わせることで、よりリラックスしたり集中したりしやすくなります。ぜひご自分に合う方法を探してみてください。

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