2019年のGW10連休、あなたは嬉しい?嬉しくない?

2019年の大型連休(ゴールデンウィーク)は10連休ですね。どんな連休になるのか?見てみると休日と祝日に加えて新天皇の即位、振替休日が間に入っていることが分かります。

  • 4月27日(土)休日
  • 4月28日(日)休日
  • 4月29日(月)昭和の日
  • 4月30日(火)平日
  • 5月1日(水)祝日(新天皇の即位)
  • 5月2日(木)平日
  • 5月3日(金)憲法記念日
  • 5月4日(土)みどりの日
  • 5月5日(日)こどもの日
  • 5月6日(月)振り替え休日

4月30日(火)と5月2日(木)が平日なのでは?

これには「祝日法」という法律が関わっています。「祝日法」では「その前日及び翌日が国民の祝日である日は休日とする」と定められていて、前後が祝日の場合、その日も「休み」となるんですね。2019年の場合、5月1日(水)が新天皇(現皇太子)の即位の祝日となったことで、4月29日(月)と憲法記念日5月3日(金)にオセロのように挟まれた4月30日(火)と5月2日(木)も「休み」になります。

10連休の経済効果は2兆円以上!

関西大学の宮本勝浩名誉教授は、2019年のゴールデンウィークの経済効果の推定額を2 兆1395億8969万円と発表しました(サンケイビズより)。推定額は、2012 年の東京スカイツリーの建築費用や観光客の消費を含めた経済効果 (1861億2000万円)の約11.5倍、2017年の上野動物園のシャンシャン誕生の経済効果(267億4736万円)の約80倍だそうです。金額が大きすぎて何だかよく分かりませんね…。これを発表した関西大学の宮本勝浩名誉教授は、

  1. 「国内・海外旅行によるプラスの経済効果」
  2. 「休日増加に伴うデパートなど小売店の売上増加によるプラスの経済効果」
  3. 「休日増加に伴う非正規従業員の仕事減少による、非正規従業員の収入減少・消費減少がもたらすマイナスの経済効果」

を試算されました。

1、国内・海外旅行によるプラスの経済効果

JTBによると、ゴールデンウィークの国内旅行者は2,401 万人。交通費、宿泊費、土産代、 飲食費などを含む一人あたりの平均費用は3万6,800円のため、国内旅行の総額は8,835億6,800万円となる見込み。海外旅行者数は66万2000人で、一人当たりの平均費用は26万8000円。海外旅行の総額は1,774億1,600万円。国内旅行は海外旅行の約3.6倍ですね。もちろんホテルやレストランもGW価格になるので、それだけの総額になるのでしょう。記事では、「ゴールデンウィークの時は、日本人旅行者は景気よくお金を使うので旅行費は高くなり、国内旅行会社の取り分は 30%前後になることもある」ことを踏まえ、日本人海外旅行者の支払った金額のうち約25%が日本の経済効果に貢献すると仮定し、国内で消費される金額を443億5,400万円と推定した。これで、国内・海外旅行による直接効果は9,279億2,200万円となる。と、ありました。

2、休日増加に伴うデパートなどの小売店の売上増加によるプラスの経済効果

小売店の売上増加による効果の試算によると経済産業省の「ミニ経済分析」から2017年1年間の小売店の売上総額を計算し、平日数と休日数から、平日・休日それぞれ1日あたりの売上金額を出した結果、10連休中の小売業の増加額は1012億4988万円となった。う〜ん、これまたすごい金額ですね。

3、休日増加に伴う非正規従業員の仕事減少による、非正規従業員の収入減少・消費減少がもたらすマイナスの経済効果

更に記事では「総務省や厚労省の資料で発表されている非正規職員・従業員の人数や平均時給などから、非正規従業員の収入減少による消費減少の効果も試算した。」つまり、いつものGWでは4月30日、5月1日、5月2日は平日になるはずが、2019年に限っては祝日法のため「休み」になってしまうんですね。これにより、平均時給1250円で1日7時間働く非正規労働者のうち、1割が3日間働かなくなると仮定して、非正規労働者全体の収入で、556億5000万円のマイナスが生じてしまうそうです。更にここから、日本人の所得に占める消費の割合が69.4%なので、このうち386億2110万円が、ゴールデンウィーク10連休で失われる消費とみなされるようです。

関西大学の宮本勝浩名誉教授は、国内・海外旅行の直接効果、小売店の売上増加による直接効果、非正規労働者の減収による直接効果を合計すると9905億5078万円。これに、一次波及効果と二次波及効果の額を合わせて2兆1395億8969万円と結論付けています。すぐにはピンとこない桁ですが、経済効果以外の側面で10連休となることで気になるポイントをあげてみました。

10連休になることで生活に影響が出そうなこと

大型連休になり日常的に享受しているサービスがストップしてしまうことが、やっぱり大きな問題ですよね。普段子どもを保育施設に預けている親や病院に通わなければならない患者さんにとっては、自分たちの生活にマイナスの影響が出る可能性があることも忘れてはならないと思います。巷で聞いた範囲ですが、いくつかスムーズにいかなくなることの例をあげると・・・

行きつけの病院がやっていない

GW期間中に診察を行う病院は都内でもかなり限られてきます。4月27日(土)こそ多少は診察してくれているものの、4月28日(土)、29日(日)は少なく、4月30日(月)は若干の診察を行う病院はあるものの5月1日(水)、2日(木)は少なくなり、5月3日(金)〜5月6日(月)にかけてはほとんどの病院の診察が行われないようです。(厚生省:「2019年4月27日〜5月6日までの10連休に置ける各都道府県の医療提供体制について」より) 持病のある方や地方の過疎が進んでいる町においては、休日・祝日ダイヤでバスの本数も少なくなるため病院との往復がいつもよりも大変になってしまうし、病院に行ったは良いけれど専門外の医師が当直でいるだけで急患に対応できるような状態になっていない状態が間違いなく生まれてしまう…。

ゴミ出しはできる?

2月26日に政府が発表した対応策では 「祝日でも市区町村の判断でごみ収集を実施しているが10連休も適切な対応がとられるよう状況把握と周知をする」というようにしていました。東京都江東区・品川区では「通常の祝日と同様に回収を行う」予定だったり、千葉県八千代市では特例で5月1日(水)、3日(金)も実施する予定を組んでいたりするようです。住民の多いエリアに限っては柔軟な対応が可能なようですね。

お金は下ろせる?

連休中にお金が下ろせなくなると、試算された経済効果にも影響が出てしまうのでは?と思いきや3大メガバンクのATMは通常通り稼働しているようですね。ただ、やっぱり制限があるようなので要チェック。

ATMについて
  • 4月27日(土)休日:みずほ銀行は0時から3時、および5時から22時の営業
  • 4月28日(日)休日:みずほ銀行は8時から21時の営業日、三井住友銀行・ゆうちょ銀行は日曜日・祝日扱い、りそな銀行は日曜日扱い
  • 4月29日(月)昭和の日:みずほ銀行は7時から24時の営業
  • 4月30日(火)平日
  • 5月1日(水)祝日(新天皇の即位)
  • 5月2日(木)平日:ゆうちょ銀行では、5月2日23時55分から5月6日7時まで、振込(他の金融機関への送金)ができない。
  • 5月3日(金)憲法記念日
  • 5月4日(土)みどりの日:みずほ銀行は0時から3時、および5時から22時の営業
  • 5月5日(日)こどもの日:みずほ銀行は8時から21時の営業、三井住友銀行・ゆうちょ銀行は日曜日・祝日扱い、りそな銀行は祝日扱い
  • 5月6日(月)振り替え休日:みずほ銀行は7時から24時の営業

※三井住友銀行は、毎週日曜21時から月曜7時までは休業となっており、連休中も同様。4月28日から29日、5月5日から6日の上記時間帯は休業。三菱UFJ銀行は連休中も基本的には24時間営業。

郵便物は届くの?

日本郵政によると、速達、書留、ゆうパック等は、連休中も毎日配達を行う。普通郵便物、特定記録郵便物、一般のゆうメール等は、原則日曜、祝日等の配達はありませんが、通常どおり4月27日(土)に配達するほか、特例として、5月2日(木・休)に配達を行うようです。つまり、一般的な郵便物で急ぎだったり、荷物系は10日間で2日しか配達されないということですね。

10連休、あなたは嬉しい?嬉しくない?

2019年の1月に全国のラジオ番組に先駆けて静岡K-MIX「おひるま協同組合」で実施した「ひる協Twitterアンケート」で

Qズバリ、今年のゴールデンウィークの10連休嬉しいですか?嬉しくないですか?

について聞いてみたところ、

  • 嬉しい!:32%
  • 嬉しくない:68%

と実に7割弱の方が嬉しくないという結果になっていました…。(筆者もこの回の番組に出演しました)。そして回答の内訳を聞いてみると、子育てしているお母さんのメッセージで

学校や保育園・幼稚園が休みで子供がいるので面倒見るので大変だから10連休も大変…

と、公的機関も休みなると10連休は少し長いのかもしれませんね。そんな訳で理想の連休はどれくらい?について聞いてみると

  • 0~3連休:29%
  • 4〜6連休:42%
  • 7〜9連休:10%
  • 10連休以上:19%

と、やはり皆さん、いつもの連休の長さが心も体もフィットするようですね。

GWにはGWに合う休み方で!

静岡K-MIX「おひるま協同組合」に出演した際にも話しましたが、「休み」は大きく3つに分類することができます。

  1. 国民全員が休みの空気感に包まれる長期休暇(例:年末年始休暇、お盆休みなど文化・伝統的な休み)
  2. GWなどのような長期休暇(主に私的な消費を促す傾向のある休み)
  3. 常の土日祝などの日常的な休み(ルーティン的な行動に繋がる休み)

詳しくは、また別の機会に書きたいと思います。それでは素敵なGWを!

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