「仕事が気になってゆっくり休めない……」労働と休息をスイッチする4つのマインドセット
「仕事が気になってゆっくり休めない……」労働と休息をスイッチする4つのマインドセット
休日を過ごしているにも関わらず、つい仕事のことばかり考えてしまい、何をしていても上の空……。
そんな状態に陥っている時、「もっと上手にオンとオフを切り替えられたらいいのに……」と感じることがありませんか?
オンとオフを上手に切り替えられないのは、責任感の強さや先見性の表れでもありますから、一概に欠点とはいえません。
とはいえ、精神的な負担を感じるなら、できるだけ上手にオンとオフを切り替えたいものです。
今回は、オンとオフを上手に切り替えるための4つのマインドセットをご紹介します。
労働と休息をスイッチするマインドセットの作り方
オンとオフを上手に切り替えられるか否かは、基本的に自分自身のメンタルの課題です。今回のトピックにおけるメンタル管理術の大半は思考法に依存するので、理性的なマインドセットが有効です。
具体的なマインドセットを4つご紹介します。
1.過去・現在・未来を切り分けて考える
休日なのに仕事のことをつい考えてしまう人は、仕事に起因する不安や懸念を持っているケースが多いようです。
「来週、出社したらまた問題が山積みだ……」
「まだ解決していないあの業務トラブル、どうやって対応しよう……」
こうした未解決の問題を抱えていると、休日とはいえなかなか心が休まりませんよね。
そんな時は「過ぎたことを気に病むのは意味がないし、まだ起こっていないことを気に病むのはもっと意味がない」と考えてみましょう。
つまり、「過去」は「既に過ぎ去ったもの」と処理し、「未来」は「まだ起こっていないこと」として処理して、「現在」に焦点をあてるのです。
これは「今が良ければそれでいい」というひねくれた思考ではなく、「現在に焦点をあて、雑念を取り払う」ためのマインドセットです。
さらに、心配性な方にぜひ知っておいてほしい朗報があります。
米国認知治療研究所の創設者であり国際認知療法学会会長でもあるロバート・L・リーヒ博士は、自著「The Worry Cure」にて、彼が参照した「心配性の人を対象にした調査結果」について次のように記述しています。
“彼らの心配事の85%は、実際には「よいこと」が起こった。 実際に起きた心配事のうち80%は「自力で解決できるもの」であり、本当に解決できない心配事が起きる確率はたった3%であった。”
引用:The Worry Cure: Seven Steps to Stop Worry from Stopping You – Robert L. Leahy Ph.D.
つまり「97%の心配事は実際には起こらない」ということ。
さらに、タウソン大学のサンドラ・リェーラ教授も同様の見解を示しており、過度な不安が問題解決と混同されやすい問題点を指摘しています。
私たちが感じている心配や不安はイメージの域を出ないものであり、実際にそれらが起こる確率はかなり低いことがわかっている──ということ。
こうした視点で改めて「過ぎたことを気に病むのは意味がないし、まだ起こっていないことを気に病むのはもっと意味がない」という言葉を読み返してみると、心にすとんと入ってくるのではないでしょうか。
参考サイト:TOWSON UNIVERSITY「Understanding why we worry may help us stop doing it」
2.自分の実績を素直に認める
「あなたが抱える心配や不安の97%は実際には起こらない」ことが、科学的な調査により判明しました。
実際、ご自身の過去を振り返ってみるとどうでしょう?人生には何度かのピンチが訪れるものですが、大半の人がそのほとんどを自力あるいは誰かの力を借りながら乗り越えてきたはずです。
「確かに人生の中の97%程度は、当初の想定より大した問題が起こらなかった」と感じる人は多いでしょう。
そして何よりも、その事実は紛れもなく「あなた自身の実績」でもあるのです。
これまでどんなピンチも苦境も乗り越えられた自分自身の実績を素直に認めてあげれば、「今後も97%程度の確率で大丈夫だろう」と考えられるはず。
結果、オンとオフを上手に切り替えられるようになるはずです。
3.不安の原因を特定し解決法を想定する
1と2で紹介した方法でもメンタル的な課題を克服できない場合は、現実的な方法で切り込む必要があります。
そもそも心配事や不安に苛まれる原因は、問題の解決策が明らかになっていないからでしょう。つまり、解決策さえ明らかになれば、心配や不安から解放される可能性が高いということ。安らかな気分で休日を過ごしたいなら、まずはご自身が抱えている問題の抜本的な解決策を練るところから始めるのがおすすめです。
「具体的な解決策を用意し、その解決策が有効でなかった場合に備え、最低でも代案を2つ用意しておく」のがポイントです。
具体的な解決策と2つの代案を捻出するために、休日を丸一日使っても構いません。丸一日を潰すことで、以降の休日を安らかに過ごせるなら大きな収穫です。
そして、大半の問題の具体的な解決策と2つの代案を用意するのに必要なのが、「リサーチ」「相談」「交渉」の3つのカードです。これら3つのカードを駆使して、具体的なビジョンとプランとロードマップを描くのが正攻法といえるでしょう。
4.退職や転職を想定しておく
問題の内容によっては、具体的な解決策や代案を用意するのが難しいケースもあります。たとえば健康問題は、これらの知恵をもってしても解消が難しい最たるトピックです。
しかし、仕事や人間関係、お金に関する問題や課題、トラブルにおいては、具体的な解決策と代案を用意することで道筋が見えてくるはずです。
少なくともメンタルの安定に寄与しますし、休日を穏やかに過ごす技術が身につくはずです。
「それでもやっぱり解決の糸口がつかめないし、オンとオフの切り替えもうまくいかない……」という状態なら、「最悪この仕事を辞めてもいい」「転職も視野に入れよう」「引っ越しを検討しよう」など、環境を抜本的に変える大胆な選択を視野に入れましょう。
これは「現状や依存先(所属先)への執着を捨てる」「サンクコスト(埋没費用)を損切りする」ということでもあります。覚悟がいる決断ではありますが、覚悟さえ決められれば、少なくともメンタルは安定するはずです。
そもそもこうした決断を視野に入れなければならない状況にあるなら、それは既に「大胆なテコ入れが必要な状況」にあるのは間違いでしょう。
良薬は口に苦し。できるだけ早めに苦い薬を受け入れることで、問題解決も早くなります。
オンとオフを切り替えて心身を管理しよう
仕事や恋愛や結婚、交友関係なども含め、社会活動を行っていると何かしらの問題が生じるものです。しかし、臭いものにフタをして誤魔化し続けていると、いつまで経っても「難局に対応するマインドセットと問題解決能力」が養われません。
「ピンチは自分のスキルを試すチャンス」と解釈し、人生のあらゆる課題や難題を受け止められるマインドを養いたいですね。
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