地球の裏側から ~ブラジル在住アラサー女子からみた日本 Part 2~

休日の多様性

第2回:海外に行けない今こそ、日本良さをもう一度考えてみませんか?~ブラジルに住んで改めて気づいた「日本ってすごかった!」~

私は今回の渡伯が初めての海外生活、且つここは日本から最も距離が遠い国なので、文化や考え方の違いには驚くことばかりです。しかし、同時に日本人の細やかな心遣いは素晴らしいと日々感じています。日本では気にも留めていなかったものや当たり前に使っていたものが実は日本にしかないもので、とても便利だったのだと気づかされる毎日です。
今回はアラサー女子が海外生活を通して改めて気づいた日本人の心遣いの細やかさ、実は便利だった日本の商品についてお伝えしていきたいと思います。

当たり前だけれど・・・ブラジルには無いものだらけ!

日本にあってブラジルに無いもの。それはもう、数えきれない程たくさんあります。
例えば、ブラジルのラップには日本のもののように刃物がついていないので、使うたびに手でちぎらなくてはいけません。また、ブラジルは治安が悪くコンビニも自動販売機も無い為、喉が渇いてもすぐに水が買えないのです。
そして、日本人には信じられないと思いますが、ブラジルでは高級ホテルであってもトイレットペーパーはトイレに流せません。今まで日本にしか暮らしたことのない私にとっては、正直不便なことだらけです。
無い物を数えていても仕方ない、郷に入っては郷に従え!とは思ってはいるのですが、、、ついつい、ああ、日本ではこうだったのに、あれが今ブラジルにあったらもっと便利なのに!と思ってしまうことがたくさんあります。

ただの箱にラップがそのまま入っていて、手でちぎるスタイルです。
熱すると縮んでしまい、非常に取りにくいです。

日本人の発想の細やかさに改めて気づかされる毎日

そんなブラジル生活の中でも、私が特に日本人の心遣いから生まれた素晴らしい商品だと感じているものが3つあります。
まず1つ目はマジックカット。日本では調味料の小袋や詰め替え用のシャンプー等様々な商品に使用されている、パッケージがどこからでも切れる便利な特許技術。現在はライセンスが供与されており日本国内ではかなり普及していると思いますが、ブラジルでは見かけたことがありません。
そして2つ目は、日本のレストランではメニューと同時に必ずと言っていいほど提供されるおしぼり。ブラジルに限らず、日本以外では高級レストランであってもなかなか出されることはありませんよね。

海外ではおしぼりは飛行機のビジネスクラスで出されるもの、有料のもの、という認識が強いようです。チェーン店であってもおしぼりが無料で提供される日本は「さすが!おもてなしの国」と言われているそうです。
3つ目は、チャック付きの食料品。日本では小麦粉やスパイス等一度に使い切らない食料品はチャック付きの包装で売られていることが多いですよね。ブラジルは何もかもがビッグサイズなので1度で使い切れる量ではないはずなのですが、チャック付きのパッケージはこちらではほとんど見かけません。
日本では、パナソニックの創業者である松下幸之助の「現状維持は後退の始まり」という名言をよく耳にします。確かに日本人は少しでも不便だと思うと改善し、より便利なものを作ろうという意識が高い気がします。ブラジルに来てみて改めて、日本人に根付いたそのような考えや、日本人ならではの心遣いや思いやりがより暮らしやすい私たちの生活を作っていたのだと実感しています。
日本では一昔前の1か所に切込みが入っているブラジルスタイルの調味料の小袋です。

日本の製品はブラジルでも大人気!

多くの方が既にご存知かと思いますが、ブラジルは日系人が多い国としても有名です。全世界で7番目に日系人が多く、ブラジルに住む日系人の人口は全体の約1%にも及ぶと言われています。
その影響もあってか日本の製品や日本食レストランはブラジル人にも認知度が高く、お寿司やお刺身、ラーメンも人気のメニューです。
私が今住んでいるリオデジャネイロにも日系人の方が営む日本食料理屋さんやアジア食品店がいくつもあります。
そして、数年前に出来た100円均一のお店はいつでも大繁盛!店内はこちらに住んでいる日本人や日系人よりも、ブラジル人で賑わっていたりします。アジア人は見た目ですぐに判別できるので、お店に行くと必ずと言っていいほど、「これ、なに?」「どうやって使うの?」「これ、美味しいの?」とブラジル人の質問攻めに合います。

ブラジルでは所謂カリフォルニアロールが定番ですが、サーモンやマグロ、鯛等は日本風スタイルも。
ブラジルのでは人気の創作和食のお店のお寿司です。GURUMÊ – Restaurante Japonês

もう一度、日本の良さを見直そう

サービス残業や有休休暇の消化率の低さに代表される働き方の問題、SDGs、性的マイノリティの問題等、日本には世界に比べて遅れていると言われている問題が多く存在します。小さなことかもしれませんが、私も日本で働いている時には対面の海外の担当者が日本では取りづらい長期休暇を取得する度に羨ましいと思ったり、プレゼント用の包装が過剰すぎて無駄だと思ったりしていました。
長年同じ場所に住んでいると日々の生活が当たり前になり、良い面よりも悪い面ばかりが目についていたような気がします。しかし、ブラジルに来て気づいたのはむしろ日本の良いところ、日本の便利なものの存在でした。
1年延期の上に今年やっと開催された東京オリンピックは、完全無観客。経済効果のみならず、日本の良さを全世界に知ってもらう大きなチャンスを逸してしまいました。
しかし、ブラジルからも、世界の選手の方々が日本のものの素晴らしさをインスタグラム等のSNSを通して発信しているというニュースを見てとても嬉しい気持ちになりました。海外の方々が日本の素晴らしさに気づき世界に向けて発信してくれたことは、私たち日本人にとっても改めて自国の良さを実感する良いきっかけになったのではないでしょうか。
コロナの変異株も次々と発見され、自由に旅行にも行けない日々がまだもう少し続きそうですね。だからこそ年末年始は2021年を振り返るとともに、もう一度、ゆっくりと日本の良いところを見直してみませんか?
私自身もこの年末年始は日本の生活を思い出して、身近なところから日本の良さを改めて考えていきたいと思っています。

  • ご参考①:
    手元メモですが一応ご共有です。日本で当たり前に使っていたけど便利だったもの。
    ・ラップ(手で切らないといけない、レンジで使いづらい)、タッパー(蓋が緩い)
    ・生理用品(コットンの質が悪い、、、)
    ・キッチン洗剤(手が荒れる、洗浄力×)
    ・包丁(切れない)
    ・フライパンのフタ(ブラジルでは使わない)
    ・ボックスティッシュ(たまに薬局には売っているけど基本的にはトイレットペーパーか、キッチンペーパーを使う)、ポケットティッシュ(ブラジルでは見たことない)
    ・文房具(シャーペンの芯がとても折れやすい、、、)
    ・ボディーソープ(石鹸の方が多い)
    ・チャック付きの食べ物(小麦粉、スパイスとか)
    ・おしぼり(ブラジルでは紙ナプキンしか出てこない)
    ・耳かき(綿棒しか使わない?耳かきはアジアだけ?)
    ・カイロ、湯たんぽ(リオは暑いので、、、でも、カイロは日本や韓国などアジア以外では見たことない!?)
    ・スリッパ(基本土足文化なので)
    ・冷えピタ(コロナワクチンの時、探したけどなかった!)
    ・モバイルバッテリー(ネットでは売っている)
    ・接骨院(マッサージはあり)、病院のシステムが複雑(総合病院ではなく、課毎に異なる場所にある。レントゲンとかも別の場所で撮る)
    ・ファブリーズ(除菌&消臭スプレーは見たことない)
    ・クイックルワイパー(土足文化だから)
    ・お菓子クリップ(MEISOやDAISOにはアリ)
    ・マジックカット
    ・ウォシュレット、トイレの上にある手を洗う蛇口
    ・土日営業、24時間営業のお店(コンビニ、ファミレス)
    ・自販機

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