まさに中毒的!農の世界の不思議なパワー

農の世界~中毒的な不思議なPower~

突然ですが、みなさんの理想とする暮らしはどのようなものでしょうか。

“畑には、人のココロを癒す力がある!?”

そんな風に体感したことはありませんか。

“自粛”期間が広がり、家にいる時間が増えているからこそ、自分の生活を見つめたり、休日の過ごし方を考えたりする方が増えているのではないかと思います。外出できない分、庭やベランダで野菜を育てているなんて声も多く聞くようになりました。畑というか、土に触れるって。アクションを起こすまで少し時間がかかるような気がするのですが、始めてしまうと中々止められないもので、大変だし、面倒なことも多いけれど、つい求めてしまう、中毒的な不思議なパワーを持つものだ、と感覚的に感じています。

野菜を植えるとまず土に触れます。発芽して、花が咲いて。その過程の中で、“草の壁”や必死に生きる天敵たちに遭遇して。そうして、楽しみの収穫があり。我々の食卓に並ぶ。「食べる」という言葉の背景には、たくさんの方々の努力と想いが詰まっており、“農”と“食”のつながりの深さを感じざるを得ません。

わずかな隙間でも、日常の中に癒しの時間を創ることは日々を過ごしていく中で大切なことだと言われています。その選択肢の一つとして、“作物を育てる”という楽しみはいかがでしょうか。意外にも豊かな瞬間だ、と気づくことがあるかもしれません。筆者自身、“農ある暮らし”を体感しはじめ、たくさんのことを与えていただきました。

ここから4回のシリーズに分けて、いま私が栽培に携わっている“あけぼの大豆”という白大豆について、紹介していきたいと思います。

そもそも“あけぼの大豆”とは?

「あけぼの大豆」は明治時代頃に関西地方からこの地に導入されたとされる、山梨県身延町曙地区で広がった在来品種。標高300~700m、昼夜の寒暖差が大きく、霧深いあけぼの地区特有の風土により育まれた良質な種子を使用して町内で栽培され、市場にあまり出回らないことから「幻の大豆」とも呼ばれる白大豆です。

《特徴①》

・粒が大きい…一般の大豆と比べると約2倍の大きさ、重さ

《特徴②》

・甘味が強い…こちらも一般の大豆に比べて、約1.2倍ショ糖分(砂糖の主成分)が高いという数値が検証済み

《特徴③》

・極晩成品種である…6月中旬~7月上旬にかけて行う種蒔きを経て、10月の枝豆収穫期、12月の大豆収穫期と一般の大豆に比べそれぞれ2か月ほど長く土の中にいて時間をかけて成長する分、強い甘みと深い食味を保有。

《引用:あけぼの大豆リーフレット》

言葉を並べてしまうと何だかありきたりになってしまいますが、実際に見るとこれが本当に立派な大豆です。

天気とにらめっこ

土壌作りから栽培、収穫と生産者の方の後ろをついてまわりに回ったこの二年。

はじめて触れる“農”という世界は、単純なようで思っていた以上に大変で、とても繊細な心が必要な仕事なのかと実感しています。その日の天候はもちろんのこと、前後数日の天気予報を確認しながら、作業工程を考える必要が求められ、自分の力で思い描き・行動することが何より大切。「ただ教わったことをやればよい」という世界とはかけ離れるものがありました。「今日はこの後雨予報だから、水やりはよそう」「朝、水あげたけど元気ないから少しあげようか」など、庭やベランダで作物を育てていても考えたことはありませんか。

作業をしていると、無意識的に空を眺め、風を感じます。風向きに合わせて機械の作業方向を変えたり、立ち位置を変えたりすることも。山にかかる雲や飛んでいる鳥の高さなどを見ながら、数時間後の天気を予測することもできます。一口に“作物を育てる”という工程の中に、「自然と隣り合わせ」なのだということを実感します。

「相手」と「自分」と 向き合える時間

先日。畑で土の耕耘(耕す)作業をしていると、カエルを轢いてしまいました。そこにすかさず現れた二匹のカラス。まわりを確認しながら、まだ生きているが弱っている蛙をカラスが食しはじめました。これが生きるってことか、と改めて感じる瞬間でした。

そんな出来事を思い返すと、上記に述べた自然現象同様、畑での時間は自分と向き合っているようで、さまざまな事象と向き合っていることに気づかされます。日々移り変わる空模様に自然現象。取っても刈っても這い上がってくる雑草たち。食料を探しにやってくる虫や鳥。たくさんの生き物たちによる食物連鎖。様々な事象の先に作物を育てる難しさと命をいただくことの大切さを感じさせてもらっています。

農業は“ひとづくり!?”

「単に作物を育てるだけが、農の世界ではない」

触れてみなければ分からなかった、農の世界の不思議な魅力。同じ作物を育てるでも、農家さん一人ひとり育て方は異なり、込める想いが違います。

 本や参考書からの学びはもちろんたくさんあります。けれど、実際に現場に出て作業をするからこそ知りえることが一番の学びではないかと、農作業を通してつくづく感じているところです。“雑草元気すぎるぞー、早く畑に草刈りに来いよ~”“この作物は○○した方がいいぞ”一人で作業をしているようで、実はたくさんの方が気にかけてくださり、見守ってくださっている。時に、厳しい言葉もかけていただきます。しかし、それらの言葉や隠れた想いをどう受け止めるかによって、作業にかける(田舎での暮らしに対する)想いも変わってくるような気がしています。

作物もヒトも陽の光を浴びて、水を貯え、栄養を摂取しないと成長できません

“モノを作っているようで、ヒトづくりも含まれているのではないか”

様々な方の想いに触れていく中で、自身の想いを煮詰め、核を築き、よりよいモノを届けることが出来るように。あけぼの大豆の成長過程を学びながら、体感したことを伝えていきたいと思います。

あけぼの大豆について詳しくはコチラのサイトをご確認ください。(画像クリック↓)

 

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