-シリーズ “休み方改革”- 実はこんな取組みをしている自治体があった!〜Part 1〜
「新庄まつり」でまち全体で休む機運づくり
山形県新庄市。山形新幹線の終着駅のこのまちでは毎年8月24日〜26日の3日間、まちをあげた大祭「新庄まつり」が開催されることで有名ですよね。しかもこの「新庄まつり」はユネスコ無形文化遺産登録されたほどの歴史と伝統のあるお祭り。実はこのまち、政府が2015年頃に掲げた有給休暇取得推進の取組みにいち早く動いたまちの1つでした。横並びで前例がないことになかなか積極的に慣れない自治体と違って、前のめりで取組む姿勢、好きです。
新庄市の取組み
「地域のイベントの開催日に 年次有給休暇を積極的に活用しましょう」というキャッチフレーズで、新庄市は地域企業に対して年次有給休暇とワークライフバランスという言葉をフックに新しい「働き方」「休み方」を推進していました。以前、書いたけれど、当時、有給休暇取得率が47-48%前後を推移していて、休みが取れないブラック企業やらサービス残業が蔓延していた頃の話です。この時は、リンクにあるように厚生省が「地域の行事と連動した年次有給休暇の取得促進」を掲げていました。埼玉県秩父地域も同様に積極的な活動をしていましたね。
■厚生省Webサイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000103226.html
まちぐるみで休みを推進
自治体の地道な広報活動は「新庄まつり」の開催前後で、地域企業は基本的に有給休暇を推進して「新庄まつり」の手伝いをするという流れにつながり、学校から帰った子供達も一緒になって準備をしていくという地域で連携した活動になって行きました。(※もちろん、工場の生産ラインを止めることはできないので、そのあたりは順番で交代していく感じでした)
柔軟な動きはキッズウィークに展開
こういった地域活動の基盤ができていることのメリット。それは、次に打ち手を考える時に「手段の目的化」にならないこと。つまり、2015年から地域企業も学校も自治体も連動するカタチができいった中で「何が出来て、何が出来なかったのか?」「年ごとにどういったマイナーチェンジが必要なのか?」「どうしたらもっと市民にとって快適な自治体サービスになるのか?」を繰り返し考えるベースが培われてきたからこそ、2018年のキッズウィークの展開にも自動的にシフトできたんですね。
効果測定をしていく意味、どういったゴールを掲げ、そのためにどういった効果を測定することが必要なのか?を考えていける基盤が作れることが「実施すること自体が目的化」している一般的な流れを画一したものになったんだと思います。
2018年の「新庄まつり」も8月24日〜26日の3日間。
さ〜て、今年はどんな山車が街中を練り歩くのかなぁ。今から楽しみ!
山形県新庄市はこんなところ
・新庄まつり ユネスコ無形文化遺産登録:https://www.city.shinjo.yamagata.jp/s018/010/20161129173637.html
・新庄最上漫画ミュージアム:http://www.smmm.jp/
阿部 ゆたかさん、岡田 理知さん、冨樫 義博さん、など、有名な漫画家さんもこの地出身のですね。
他自治体への波及効果へ
新庄市の取組みが単発でなく持続的に推進されていることは、キッズウィークに取組もうと考えている自治体にとって、非常に大きな後押しになっています。2018年、キッズウィークに参道参画した自治体の半数は既存のお祭りなどの行事と紐付けて実施する意向を見せていたりします。こういう動き、本当に素晴らしい〜。
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