充実した休日を過ごすために│リラックスのメカニズム①

充実した休日を過ごすために│リラックスのメカニズム


「ストレス社会」といわれるようになってから久しい日本社会。
失われた30年の中で経済状況は低迷し続け、少子高齢化の深刻化に伴い、現役労働世代の生き方や働き方に大きな変化が求められる局面に差し掛かっています。
誰しも生きづらさを覚えるような時代ですが、そんな現状だからこそ小さな幸せを大切にしたり、リラックスタイムの質を高めたりしたいものです。
今回は、より質の高いリラックスタイムの獲得を目的に、ストレスとリラックスの関係性について解説します。

リラックスのメカニズム


多くの人は、日ごろのストレスや疲れを癒やすために、退勤後や休日にリラックスタイムを設けていると思います。
つまり、リラックスの対極にストレスがあり、リラックスの質を高めるには、ストレスの負荷を減らすという視点が欠かせません。
ストレスの原因は大きく「ストレッサー」「認知的評価と対処能力」「ストレス反応」に分けられますが、今回はストレスとリラックスの関係性に主題を置き、「リラックスとストレッサーの関係」について解説します。

リラックスとストレッサーの関係
ストレッサーとは、簡単に言うと「ストレスの外部的要因」のことであり、「ストレスの原因そのもの」を指します。
たとえば苦痛を伴う厳しい仕事に従事している場合、その仕事そのものがストレッサーです。
職場に苦手な人がいて、その人のせいで居心地の悪さを感じていたり、嫌がらせなどを受けていたりする場合は、その「苦手な人」がストレッサーです。
ストレッサーの存在はストレス値を高めるだけでなく、リラックスの妨げになるのが問題です。質の高いリラックスタイムを過ごすには、ストレッサーに対処する必要があります。

ストレッサーに対処するには


質の高いリラックス効果を得るには、どうすればいいのでしょうか?
ストレッサーに対処する具体的な3つの方法をご紹介します。

問題を解消する

可能であれば、抱えている問題そのものを抜本的に解消するのが一番です。
たとえば仕事が大きなストレスなら転職したり、キャリアステップについて考えてみたりするのもいいでしょう。
人間関係にストレスを感じているなら、人事に異動を打診したり、職場環境の調整を管理者にオーダーしたりするのが正攻法でしょうか。

メンタルをスイッチする

物事の先行きを考え、今はまだ起こっていないことについてあれこれ考えてしまうのが人間です。しかし、実はこうした思考の癖そのものが心理的ストレッサーになる可能性があります。
オンとオフを上手に切り替えるのも、ストレッサーの制御に必要な一つのテクニックです。

自己認知を深める

不安や危険な要素を過大評価してしまってはいないか、あるいは物事に対して神経質だったり感情的になったりしてはいないかなど、自分自身を客観的に評価する視点も大切です。
人間は特に追いつめられているときほど主観が強くなり、思い込みで行動しやすくなります。感情や固定観念といった主観に囚われない、柔軟かつ客観的な目線を持ちましょう。

リラックスの質を高めるために


ストレッサーに対処できたら、次はリラックス効果をいっそう高めるために、次の4つを意識してみましょう。

環境を整える

生活環境ストレッサーに対処したら、次はリラックス効果を高めるために環境を整えましょう。
たとえば好きなものに囲まれて生活したり、新しい趣味を見つけたりなどです。落ち着くような静かな環境に引っ越したり、週末はキャンプに興じたりするのもいいでしょう。
スモールステップで課題を達成していくことで、自分に合う環境が徐々に実現されていきます。

目標やビジョンを設計する

目標やビジョンの設計は、希望を持って前向きに生きるのに有効です。
文部科学省の所轄である在外教育情報検索サイト「CLARINET(クラリネット)」の「在外教育施設安全対策資料【心のケア編】」には、以下のような一節が掲載されています。
“自殺したり、自分の人生を粗末に扱う気持ちになる時は、肯定的な人生の希望・夢・目標を描けていないときである。”

引用:CLARINET

ストレッサーへの対処だけでなく、自分自身の心理的安全を確保するためにも、将来への具体的なビジョンを持つことが大切です。

スキルを獲得する

新しいスキルを身につけたり、国家資格を取得したりすると、活躍できる場が広がります。つまり「選択肢が増える」ということです。
選択肢が増えれば、今の状況や環境に固執する必要がありませんから、より高度にストレッサーを管理しやすくなります。

人とのつながりを深める

人とつながったり会話をしたりするだけで、人間は幸福感を覚えます。これは、人と接することで幸福ホルモンと呼ばれるオキシトシンやエンドルフィンなどが分泌されるためです。
また、一人の力ではどうしようもないことも、誰かの助けがあれば達成できることもあります。心理的な幸福感だけでなく、ソーシャル・サポートという側面においても、人とつながりをライフラインとして持っておくのはとても大切です。

リラックスのメカニズムを理解しよう

よりリラックス指数の高い充実した休日を過ごすため、本記事ではまずストレスとリラックスの関係性について簡単に解説しました。
次回は休日の過ごし方を深掘りし、「充実した休日を過ごすためにおすすめの6つのリラクゼーション法」をご紹介します。

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