【これってコロナ疲れ?】すぐ出来る上手なオン/オフとの付合い方とは?
4月に入って「コロナ疲れ」というワードを耳にするようになりました。7都府県は5月6日までの期間、緊急事態宣言の発令に伴って、大手百貨店などをはじめとする多くの商業施設が4月8日からの臨時休業や大幅な営業縮小を決断。東京・銀座や新橋もシャッター街並みに変貌する異常事態になってきています。それに伴い、Twitterへの新型コロナ関連の投稿のうち「疲れ」というワードが含まれていたのが3月下旬に比べて今や12,000件を超えている状況。「ストレス」や「鬱」のワードでも同様の傾向があるようです。(東京大学の調査結果より)
在宅勤務を始めた企業も急増し不要不急の外出自粛を求められているので、なかなかオン/オフを切り替えられない方や、外出自粛中の休みの過ごし方に戸惑っている方も多いようです。会社にもこれまでの働き方・休み方改革とは違う柔軟な対応をしてほしいという声もあります。
こうした変化は従業員の休み方にどんな影響を与えていて、今度、どう変化していくのか…。今回は、「オン/オフとの付き合い方」を休日マインドを踏まえてお伝えしたいと思います。
コロナ以前はどんな休日を過ごしていたのか?
これまでの休日は、オン/オフで「仕事」と「休み(プライベート)」がかなり明確に分かれていました。一般的には月曜~金曜まで働いて、土日に休む。シフト勤務の場合も、3~4連勤して1日休む。休日は繁華街に出かけたり旅行するケースや生活圏でまったりしたり。でも、コロナウィルスの影響をきっかけに、在宅勤務が増えたことでオン/オフの明確な切り替えがなくなってしまった…。「仕事」と「休み」の境界線が曖昧になり常にオンでもオフでもある状態になっていますよね。
オン/オフの切り替えが曖昧になることは、モチベーションを創り出せないことに直結します。イベントや旅行は計画から実行に至るまで、徐々にモチベーションを上げていくことでオン/オフを切り替えていました。「週末はライブに行くから仕事も早く済ませよう」という感じで。でも、今はそうならない。
スポーツ選手をテレビで見て分かる通り、試合開催がないので毎日室内で自主トレを続けているばかり。試合に向けて上がっていくモチベーションも上がらない。サラリーマンも同様に在宅勤務では営業活動も以前のようにできないし、売上をつくることも難しい。店舗経営者もお客様が来なければ死活問題。「仕事」と「休み」が常にオンでもオフでもある状態でモチベーションが創り出せなければ、気持ちの拠り所もなくなってしまいますね。
実はかなり広がっている、休日の選択肢
でも、ちょっと考えてみると、逆にそれは『休日だから大型商業施設に行かないと!』『GWだから旅行しないと!』というような「何かしないといけないのかな?何かしちゃおう!」的な今までの空気感に対して行動や態度を変えることでもあります。
新型コロナウィルスの影響で不要不急の外出自粛になったので、休日に電車で商業施設に行くことや旅行を計画して行くことはなくなった一方で、生活圏内で自分にマッチした時間をいかに過ごすかを一度、考えてみることにも繋がったとも言えますよね。
今だからこそできる選択肢が多いことに気づくこと
- 通勤時間も考えずにOKだから、朝は軽くランニングしてみようかな、仕事のコアタイムはこの時間にしようかな?
- 人混みを避けて、前から気になっていた近所のパン屋や喫茶店に行ってみようかな?
- 生活圏内の中でのこれまでのルーティンを見直して、出来ることをやってみようかな?
オン/オフが明確だった頃に意識していなかった休日の過ごし方に気づくという意味では、実はコロナ以前は目的の有無に限らず「休日=出かける」に直結しがちだったことから、あらためて自分の休日の過ごし方には実は選択肢がもっとあったことに気づくことでもあります。行動する前に1クッション入れて考えてみる。休日の時間の使い方、価値観を見直す機会かもしれません。
これまでの休み方:44歳 サラリーマンの例
東京都内在住、IT企業に勤める44歳のAさん。2月まではいつものように仕事で帰りが遅く、帰宅しても家族は既に就寝中。家族と平日の会話はほとんどなく、休日は仕事の疲れもあって昼過ぎまで寝るというルーティンの繰り返し。会社の働き方改革もあり推奨される有給休暇取得を時々行ない、金土日で連休をつくり家族でお出かけ。そんなAさんのコロナ以前の休日は、
- 休日は昼までダラダラ寝る。寝だめする。
- 昼過ぎに起きて朝昼兼用の食事をして午後はスーパーなど生活圏内で買い物。
- 何となく休日が過ぎる。
- たまに家族旅行で家族サービスをアピールしつつ、その旅行でオフを楽しむことを図る。
しかし、3月に入り生活は一変。会社からの在宅勤務は最初は推奨だったものの、3月中旬には出社禁止となり自宅で仕事をすることに。とは言え、自宅に自分の書斎もない。学校が休校になり昼間から騒がしい子供と一緒のリビングの片隅で仕事をしつつ、一日一回の社内会議は不慣れなZoomを使いながらイヤホンを付けて対応。妻も普段、家にいない子供や旦那に対するストレスも溜まる中で逃げ場がない…。
Aさんはこれまでの休日に何か特別な不満を感じる理由もなければ、何となく心が満たされなかったり、特に休日自体を良くしようと考えたこともない。でも、コロナ以前の休日と今とでは、やっぱり何か違うなぁと思うばかり…。
これまでの休み方:22歳 新卒新入社員の例
4月に大手人材派遣会社に入社したBさん。大学を卒業する直前にコロナウィルスの影響が広がり就職先からは入社式は延期し、新入社員研修は在宅でオンラインでするとの連絡が入る。会社に行くこともなく先輩社員に未だ会うこともなく、社会人になった実感もあまり湧かないために自分自身で気を引き締めようとしているところ。社会人としての意識が醸成されにくい環境下で、GWは地元に帰って友達と仕事の近況を話そうと思っていたが、その予定も立てることが出来ない。そんなBさんのコロナ以前の休日は、
- 学生時代の休日はバイトか遊びで一日が過ぎていた。
- 予定のない休日は金曜日の夜は遅くまで飲んだりして、翌日は昼過ぎまで寝ていた。
- 特に休日自体を良くしたいと考えたこともない。
コロナ以後、在宅勤務は移動時間がないので満員電車に乗ることもなく距離と時間を効率化して、オンラインで仕事(研修)に参加できるので楽に感じる。でも、社会人になりたてのタイミングでコロナウィルスの影響を受けたこともあり、そもそも「仕事」の経験もなく「仕事」と「休み」という境界線すらまだ存在していないためモチベーションの拠り所がない。さて、困った…。
自分なりのオン/オフの切り替え方の身につけ方
在宅勤務となり不要不急の外出自粛となると、オン/オフの在り方を少し工夫したいと思うところですね。これまで生活スタイルを何十年も変えずに、休日について考えることもなかったので、いざこれまでと違う生活のリズムを求められても困るものです。会社が推奨してきた働き方・休み方改革もコロナウィルスの影響を想定して制度設計されたわけじゃないですよね。
上手なオン/オフとの付き合い方として考えられるのは、他人と同じ休み方ではなく、これまでやってこなかった自分オリジナルのオン/オフを広い選択肢を持って実践してみること。
すぐ出来る!上手なオン/オフとの付き合い方
- 今までしてこなかった中でWhat’s newにアンテナを高くして実践すること。
- いきなりの変化に対応しにくい時は、自分なりの生活のリズムをつくってみること。
- モチベーションがちょっとだけ上がりそうな自分へのご褒美を設定すること。
例えるなら、コロナ以前はテレビの主電源をオン/オフで切り替えていたが、コロナ以後は主電源でなくリモコンのスイッチでオン/オフを調節して主電源は常時オンのままというような状態。でも、休み方は十人十色です。あらためて自分が一番充実すると思う休み方を実践してみること。これまでのスタイルに縛られずオン/オフの関係性も楽しく乗りこなせるようになることが大切です。
会社側は一度、これまでの働き方・休み方改革を見直すきっかけとして、従業員に対してもオン/オフの過ごし方をケアしてみてはいかがでしょうか。「コロナ疲れ」は仕事の生産性にも少なからず影響します。コロナウィルスの感染が沈静化した後のスムーズな仕事へのシフトは、今から手を打っておくことが大切です。会社として現在と今後の在宅勤務へのケアおよび働き方・休み方改革のバージョンアップは、個々の「オン/オフ」の上手な付き合い方と連動することが求められています。
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