コロナ感染者ゼロ、内需拡大へシフトする台湾の消費者マインドとは
休日の多様性
台湾は四月下旬から一日の新型コロナウィルス感染者数が減り始め、五月に入ってからは多い日でも四人。今では感染者数ゼロの日が結構続いています。
ソーシャルディスタンスを気にする必要はないにしても、やはりバスや電車に乗る時はマスク着用が義務付けられています。感染者が出ない日々が続いて、かつソーシャルディスタンスを気にしなくなったので、街中の活気は新型コロナウィルス発生の前の状態に戻ったと言えます。台湾の活気バロメーターとも言える夜市は前回の台湾紹介の時よりも活気づいてきたのは確かです。
台湾は元々海外旅行が盛んで、連休や夏休み、冬休みを使って海外へ行く人が多かったのですが、新型コロナウィルスの影響で国内旅行へとシフトチェンジしています。それに合わせて旅行代理店からも色々なお得なパッケージが出てきました。
去る六月下旬の四連休の時は台北市内は珍しく静かに感じられ、多くの人たちが地方都市または離島への旅行を満喫した模様です。田舎が離島にある友人も連休の蔡、旅行代理店が打ち出したお得なパケージで島のリゾートホテルに宿泊して、女子旅を大いに満喫。自分が子供の時から慣れ親しんでいる、定期的に訪れる母親の田舎を観光客として違う感覚で訪れることができ、この新たな国内旅行ブームを通じて貴重な体験ができたと語っていました。
台湾はアジアで一番安全とは言え、経済面ではやはり新型コロナウィルスの影響を大きく受けています。今街中は活気を取り戻して来ましたが、四月下旬まで人々は外出を自粛していたので、活気を取り戻し始めた五月まで待てずに店を畳んでしまった所も沢山ありました。以前からの、ネットショッピングの普及で売り上げに影響が出たのと、新型コロナウィルスの影響が拍車をかけて、台北随一の繁華街では空き店舗が目立っています。
その一方で自粛期間中Uber Eatsやfoodpandaといったデリバリーサービスとの提携で、商売を継続できた飲食店も多く、今では中国や韓国と同じようにスマホで好きな店からデリバリーを取るというスタイルが定着してきています。夜市では常にデリバリーの人がオーダーが来るのをスタンバイして待っている状態です。
観光客がいないゆえ、日本からの観光客に大人気なマッサージ店などは商売ガタ落ちが著しく見受けられます。台湾好きの 故 志村けんさんが行きつけだった日本の芸能人もよく訪れるマッサージ店では三時間利用すると35%オフのキャンペーンが行われていて、しばらくは続く模様です。なお、筆者は二時間分の料金でマッサージ二時間と足裏マッサージ一時間を満喫しました。
普段は海外の観光客で賑わう「九份」はもちろんいつものあのごった返し感がなく、ひっそりとなった観光名所は市内からの訪れた人たちがチラホラ。
金山と炭鉱場が閉鎖された後の、あの忘れ去られた感はこうであっただろうと想像しつつ、この街の本当の姿を垣間見られたと思います。筆者は日曜日の夜に訪れ、赤ちょうちんで飾られたノスタルジック感溢れる九份の名物階段の景色を、視野が遮られることなくほぼ一人占め出来ました。地元の人は取り戻された昔の九份のあの静けさを嬉しく思っているのか?それとも街が受けている経済的ダメージを痛く感じているのだろうか?という疑問が頭を過ります。
この記事へのコメントはありません。